こりんごさんの体験談
受けた方: こりんごさん(UAE時:43歳/既婚・出産経験あり)
筋腫の状態: 筋層内筋腫1個(14cm×10cm)、2cmのもの(場所は不明)
UAEを受けた日: 2008年1月
UAEを受けた病院: 済生会滋賀県病院(滋賀県栗東市)
【今回の治療に至るまでの経過】
中高生の頃から鎮痛剤があまり効かないほど生理痛がひどく月経量は多いほう。38歳のとき「子宮内膜症」、
39歳で「子宮筋腫」と診断され、半年〜1年に一度は婦人科を受診して経過観察を続けた。筋腫は順調にすくすく育つ。
この間貧血が進んでいたらしいが気づかず、頭痛・吐き気・肩こりなどに悩まされるようになった。
42歳のとき人間ドックで「鉄欠乏性貧血。血色素7.1しかない。要治療」と指示され、内科で貧血の治療開始。
鉄剤(フェロミア錠)服用をはじめ、貧血による症状は改善された。
過多月経やPMS(月経前に頭痛やイライラがくる)は相変わらず。
2007年9月から、急に過多月経がひどくなる。
特に2〜3日目には紙おむつ式の生理用ショーツに夜用40cmのナプキンを当てても1時間もたずに洩れて
着替えなければならなくなる(この状態が二昼夜続く)。また、30分ごとにトイレに行きたくなるほどの頻尿(昼間のみ)、
常に下腹部が張る感じがある。11月、いよいよ仕事を続けるのもつらくなり、
子宮筋腫・子宮内膜症体験者の会「たんぽぽ」に入会。フローチャート「自己決定までのプロセス」がとても参考になった。
【UAEを選んだ理由】
当時42歳。"閉経までまだまだある。たぶん私の子宮はその後も一生ケアが必要なのではないだろうか?
妊娠希望はないが、できれば子宮は残したい。今回が初めての婦人科治療だから、できるだけ身体への負担が少ない方法を選んでみたい"
そう思い始め、書籍・インターネット・ドクターへのメール相談などで情報を集める。新聞記事によりUAEの存在を知り、関心を持つ。
UAEは身体への負担が少なく、85%〜90%のケースで症状が改善されることに惹かれた。
反面、デメリットや合併症については「感染症」や「無月経となる場合もある」など書かれており、今ひとつよく分からなかった。
また、MRIで「変性がある」と言われた私の筋腫には効果があるのかどうか?と疑問があった。
ともあれ、自宅で悶々と考えていても先へ進めない。UAEを実施している病院を探して受診してみよう、
適応になるのならUAEを試してみたい、やってみたい、と気持ちが固まった。
【病院を決めるまで】
2007年11月 かかりつけ婦人科受診
内診・経腹エコーにより「漿膜下または筋層内の筋腫、新生児の頭大。子宮サイズ11cm×12cm」主治医からは全摘術を勧められる。
私から「できるだけ身体への負担が少ない方法を選んでみたい」と希望を伝える。
結局、がん検診とMRIを行ったうえで今後の治療方針を相談することになる。
同年12月 再度かかりつけ婦人科受診
検査結果:がん検診は頚部・体部とも大丈夫。卵巣異常なし。筋腫の状態は、子宮の左側に一個の巨大な筋層内筋腫がある。
内部変性あり。筋腫のまわりの筋層が薄いとのこと。私から「良性の病気だから、開腹手術以外の方法を試してみたい。
UAEを受けたい」と希望する。主治医と相談の結果、(1)私が自力でUAEを実施している病院を探して適応になるかどうか受診する。
適応なら受ける。(2)もしUAEが無理なら、主治医が腹腔鏡で筋腫核出術を多数実施しているドクターに紹介状を書いてくれる。
この2点が決まるまで40分かかった!・・・待合室で待っているたくさんの皆さん、ごめんなさい。
病院探し
インターネットを使って病院探し。UAEの症例数が多く、院内に婦人科があり、入院施設がある病院を探す。
UAEについてのホームページが充実していた済生会滋賀県病院に決め、放射線科にメールして予約を取る。
「MRIのコピー持参してください」とのこと。あわてて再度婦人科を受診し、MRI画像を借り、検査結果のコピーをもらう。
主治医は「本当に(滋賀県まで)行くんだ?本当に(UAE)受けるんだ?じゃあ、頑張ってきてね〜!」と笑顔で送り出してくださる。
先生、ありがとうございます。
そして休職する。
【UAEを受けるまで】
2007年12月 済生会滋賀県病院放射線科受診
およそ1時間かけてじっくり診察。筋腫による症状について、また月経の状況について詳しく問診。MRIの画像を診断。
勝盛先生から「変性はある。たぶん肉腫ではないと思う。UAEは充分適応。但し、筋腫が内膜に接しているので、
塞栓後に脱落・分娩の可能性はある」「子宮筋腫の動脈塞栓術」という書面をコピーしてもらい、主にデメリット、
感染症や合併症についての説明受ける。
この病院でのUAE治療成績についても聞いた。最後に私から、たとえ脱落などのリスクがあったとしても、
UAEを受けたいと希望した。1月に術前検査と手術の仮予約をした。
2008年1月 術前検査
造影MRIを撮ったあとすぐに診察室へ。先生から筋腫について診断は「子宮の左側に一個、縦14cm×横10cm、
ラグビーボール状に立っているような筋腫。筋層内筋腫だが、内膜にあと数mmというところまで接している。
塞栓後、筋腫が脱落・分娩する可能性があるタイプ。変性は非常に激しい。死んでいる部分は少なく、ほとんど生きている筋腫。
肉腫の可能性については、病理診断をしないと分からないが、血液検査の結果LDHは正常値で、見たところも肉腫には見えない」。
私から、筋腫の脱落・分娩についての症例について質問した。この病院のこれまでの治療成績について、具体的に説明があった。
【UAE手術当日(2008年1月)】
なんと朝から生理が始まった・・・。まだ1日目で良かった。2日目以降だと、すごいことになってしまう。午前中に入院して、午後手術。
内心恐れていた導尿カテーテルはさほど痛くもなくほっとする。しかし持続点滴を刺すのに時間が掛かった。筋肉注射もする。
手術室へ
血管撮影室に入ると、スタッフの方がにこやかに挨拶してくださる。バスタオルが敷いてある血管造影装置の上にあがる。
たぶんその下にはビニールシーツか何か敷いてあるのかな?持続点滴から、眠くなる薬や麻酔が入った。局所麻酔の注射。
カテーテルが入る。体験談で読んでいた「カテーテルから造影剤を入れるときの違和感」は、私には苦にならなかった。
1回目の撮影だけ息を止めて行う。その後の撮影は、息はそのまま。ゼラチンスポンジが注入されているらしいがよく分からない。
30分くらいたったとき男性スタッフが「うまくいってますよ」と教えてくれた。50分くらいたった頃?
先生からも「うまくいってます」と。この頃から、下腹部痛が始まる。筋腫が梗塞されたらしい。生理痛にそっくり。
手術日当日の夜
病室に戻る。口をきく元気はない。下腹部痛は重い生理痛程度だが、右足は伸ばしたまま・左手は点滴・導尿カテーテルの
3つによって仰向けのまま身体を動かせないのがつらい。どうしても痛いときは自分でPCAポンプを押すと、麻酔が点滴の中に入る。
たぶん4回ほど押したと思う。3回吐いたが頭痛や気分の悪さなどは全くなく、良かった。看護婦さんが何回もチェックに来てくれる。
熱は37度台。一晩中仰向けのまま、"痛くてつらい → ウトウトする → 痛くてつらい"の繰り返し。
術後2日目
早朝に導尿カテーテルを抜いたときは嬉しかった。歩いて病室のトイレへ行く。月経は、茶色の血がわずかに付くのみ。
気分はスッキリ!食欲はなし。先生が来られ「経過は順調です」とのこと。
夕方に先生来室、手術中の画像を見ながら説明。左右の子宮動脈を塞栓した。
はじめ表面をびっしりと細かい血管に覆われて毛玉のように映っていた筋腫だが、塞栓後は全く血行がない様子が分かる。
深夜下腹部が痛む。鎮痛剤をもらって飲む。
術後3日目(退院!)
朝先生が来室され、「何か分からないことや不安なことは?」と聞かれたので、やはり脱落・分娩が心配だと答える。
すると「今後の感染症については、予防法はないし、おびえて過ごすものでもない。心配するより、
起こったらその時に対処すればいい」…本当ですね。
退院時の移動がつらい人が多いとのことで、退院直前に座薬を入れてもらう。実家の母が迎えに来てくれた。支払いは約53万円。
タクシーと電車は平気だが、立ったり歩いたりするとかなりお腹に響く。
術後しばらくの間は食欲がなかった。毎日少しずつ鎮痛剤をのんだ。微量のおりものが続いた。
術後6日目
初の外出!タクシーで出かけ、友達に「元気やんか!」と驚かれる。その後、以前から参加したかった
子宮筋腫・子宮内膜症などの体験者の自助グループ「さくらそう」のおしゃべり会に初参加する。(←いきなり外出のはしご)
生理痛程度の痛みはあるが大丈夫。夕方自転車に乗ってみたら、お腹にかなりの振動が・・・。
術後7日目
パタッと痛みが止んだ。しかし、それと同時に下腹部が出てきた。明け方に触ると、術前と同じような形に盛り上がっているので
「まさか、元のもくあみ?」と驚く。柄にもなくオロオロしてしまう。午前6時ごろ放射線科にメールした。
午前9時前に先生から電話あり。「さっきメールに返信したが、術後の一過性のお腹の腫れで、心配ない」とのこと。
術後8日目(1週間後検診)
自転車に乗っても平気でした。
造影MRI撮影。先生が「うまくいってます」。術前はラグビーボールのように立っていた筋腫が、
梗塞されて柔らかくなってきて前へ倒れ気味。だから、昨日からお腹が出てきたらしい。梗塞された筋腫は真っ黒!に映っている。
この画像はいくら見ても見飽きない・・・。術前1.4リットルあった子宮体積は、もう1.1リットルを切っているとのこと。
「普通なら、一週間後はまだ腫れている。うまくいっているほう」
それからも、熱や痛みは全く無い。赤や茶色の微量のおりものは続く。
術後24日(涙の術後初生理)
2日くらい前から下腹部痛や赤いおりものがあった。
早くも術後1回目の生理が始まる。痛みは軽め。昼用ナプキンで充分な量。薬局に買いに行く。
軽い薄い昼用ナプキンの袋を手に取った瞬間、涙が止まらなくなった。・・・この前昼用のナプキン買ったのいつだっけ?
思い出せない。「スーパー夜用」とか「ショーツ型」ばかり買っていた。そのときは夢中だったから、
そんなにつらいとも思わなかったけど。こんな薄いナプキンを使えるようになったんだ・・・ナプキンの棚の前でボロボロ泣いた。
子宮筋腫と言われてから3年経つけれど(過多月経や痛みはもっと前からあった)、こんなに泣いたのは初めてだった。
1回目の生理は、3日目だけ経血量が多く夜用ナプキンを何回も替えなければならなかったが、 後はずっと昼用で対応できた。
ただレバー状の塊や、弾力のあるおりものはまだ多い。
術後37日(術後1ヶ月婦人科診察)
勝盛先生に書いていただいたお手紙を持って、もともとかかっていた婦人科へ行く。
婦人科のドクターがにこやかに迎えてくださりほっとする。内診の結果は異常無し、おりものは続いているが
「これは普通のおりもの。念のため検査するけど、まず大丈夫」とのことでした。
生理の量が激減したことを話すと「良かったねえ!」と喜んでくださる。
・・・でも。診察しながらドクターが「この筋腫にまた血行ができたらどうなるのかな?」
「大きさとしてはあまり変わらないね?」と仰る。僭越ながら私から「完全に梗塞された筋腫は
もう大きくなることはないそうです」「壊死しているので、これから何ヶ月も何年もかけて徐々に縮小していくそうです」と伝える。
先生は「えっ、ほんとに?!」とびっくりされる。超ベテランの婦人科の先生でも、
UAEについてはあまりご存知ないんだなあ・・・ちょっと悲しい。
術後4ヶ月婦人科診察まで※
生理は24日周期。期間中2日ほど夜用ナプキンが必要な日があるが、あとは量が少なく昼用で充分。
術前の量を10とすると3程度の量に減った。月経痛はほとんどない。頻尿などの圧迫症状もほとんど無くなった。
ちょうど術後4ヶ月近くたったころから頭痛・肩こりなどの症状が出たので内科に通院した。
血液検査の結果ヘモグロビン8.9、血清鉄も貯蔵鉄も低く、鉄剤の服用を始めた。
術後4ヶ月婦人科診察※
血液検査の結果、鉄剤服用を始めてから1ヶ月しかたっていないのにヘモグロビンが11まで回復していた。
造影MRIの結果、筋腫の縮小率47%、子宮体積の縮小率57%。先生からは「いいですよ。いいほうです。」とのこと。
術後1週間目の画像と比べてもはっきりと小さくなっている。嬉しい。
貧血については「元の筋腫が大きく、内膜が引き伸ばされていたから起こる。筋腫自体は縮小しているから、大丈夫。」と説明を受けて納得する。
月経量、月経痛、圧迫症状など一つ一つの項目について問診。
結論としては「症状はかなり改善された。但し貧血については内科治療中」という所見らしい。
<※2008年6月追記>
感想
術後の痛みについては、私の場合つらかったのは最初の一晩だけでした。個人的に術後の痛みが軽いほうだったのか、
それとも疼痛管理をしっかりしていただいたから軽かったのか、分かりません。・・・たぶん両方でしょう・・・。
私の筋腫は子宮内膜にかなり接しているタイプで、稀に塞栓後の筋腫の、子宮内へ脱落・分娩がおこりうるのだそうです。
(およそ5%とのこと)起こったらUAEを受けた病院の婦人科で治療してくださるそうですが、治療が奏効しない場合は
ごく稀に全摘術となることがあるそうです。術前にこの説明を受けたとき、一瞬“もし私がそうなったら・・・?"と考えましたが、
それでもいいです。納得しています。
最初に、かかりつけの婦人科で、筋腫の種類や大きさ・位置も正確に分かっていない段階で全摘術を勧められたのですから。
そこから情報を集め、相談をして、自分で選択したUAEを受けることができたのですから。
読んでくださった方へ
事前にインターネットなどで集めた情報では「筋腫に変性があるとUAEが適応にならないこともある」とのことでした。
でも私の筋腫は診断の結果、"変性が非常に激しいタイプ"だったけれどUAE適応になりました。
UAEに関しては、実施している施設でないとドクターにも相談しにくいようなので(ドクターもあまりご存知ない)、
もしUAEにかなり関心がある人なら、思いきって実施している施設を受診してみるのもいいと思いました。
<2008年2月>